はじめに
障害者手帳とは、なんらかの障害によって自立が困難な人や、
この手帳をもつことによって、様々な恩恵が受けられます。
日常生活に困っている人に対して、各自治体からもらえる手帳のことです。
当記事では、障害者手帳をもつことについて、
どんなサービスが受けられるかを中心に、
そのメリットやデメリットについてお伝えしていきます。
ぜひ参考にしてくださいね。
精神障碍者保健福祉手帳とは?

精神障害者手帳は、正式名称を精神障害者保健福祉手帳といいます。
精神障害者手帳を交付してもらえる人は、以下のような人です。
- 統合失調症
- うつ病、躁うつ病などの気分障害
- てんかん
- 薬物依存症
- 高次脳機能障害
- 発達障害
- そのほかストレスに関連する精神疾患
発達障害と知的障害両方有する場合は、両方の手帳をもつことができます。
また、手帳を受けるためにはその精神障害の初診日から、
6か月以上経過していることが条件となります。
障害の重さによって、1級から3級までもらえる手帳は変化します。
精神障害者手帳をもらうことによるメリット

精神障害者手帳をもらうことで、得られるサービスは大きく分けて4つあります。
ただし、障害の程度や自治体によってことなることもあるので、
役所や支援してくれる機関に確認するようにしましょう。
① 税金が控除される

控除とは、給料から決まった額が差し引かれ、差し引かれた額から税額を計算するというものです。
そして、障害者控除とは障害をもつ人や、
家計を同じくする配偶者や扶養家族に障害がある場合に、
所得税や住民税の控除を受けることができます。
例えば、国税庁のページによると、
障害者手帳2級または3級をお持ちの場合は、所得税が27万円、
住民税は26万円が控除されます。
そして、精神障害者手帳1級をお持ちの方の控除額は、
所得税が40万円、住民税は30万円だそうです。
また、精神障害者手帳1級をお持ちの方と生計を同じくする配偶者、
障害をお持ちの方を扶養している親族の方の場合は、
所得税75万円、住民税53万円となります。
そのほか、所得税、住民税以外にも贈与税、相続税において優遇される可能性もあります。
自動車税についても減免されることがあるので、
お住いの市区町村の窓口で確認してみてくださいね。
②医療費の助成を受けられる

代表的なものに、自立支援医療制度があります。
精神障害者の方は定期的な通院することが多く、
こちらの自立支援医療制度は大変ありがたい精度となります。
自立支援を申請すると、入院以外の医療費負担が1割となります。
健康保険に加入している場合、通常は3割負担なので、
例えば普段3000円払っていたものが1000円になるなど、
家計的にとても助かる制度となっています。
この制度は、通院、デイケア、訪問看護、薬の処方にも適用されます。
また、年収によって月々にかかる費用の上限がもうけられることもあります。
例えば、月々5千円上限の場合は5千円を超える医療費は免除されます。
5千円以上のお金を支払わなくてよくなるのです。
③障害者雇用枠に応募できる

障害者手帳をお持ちの方で、就職活動中の方もおられるかと思います。
就職となるときちんと仕事ができるか、
障害を理解して指導をしっかりしてくれるかなど、
不安になる方々も多いかと思います。
そういった方でも、障害者手帳を申請し、
障害者として就労することで不安が軽減されるかもしれません。
障害者雇用についてはコチラの記事を参考にしてください。

④各種公共料金が割引される

精神障害者手帳をもっていると、以下の公共料金などが割引されることがあります。
- 公共交通機関の運賃
- 上下水道料金
- NHK放送受信料
- 携帯電話料金
- 公共施設の入館料等
具体的な割引内容については、
サービス主体のインターネットサイトなどで確認してみましょう。
⑤失業保険の受給期間が延びる(条件アリ)

てんかん、躁うつ病、統合失調症に該当する人など、
精神障害者手帳をお持ちの方は、一定の条件の下で、
医師の診断書によって就職困難者として手続きが可能になる場合もあります。
一般受給者が受給されないまたは最大でも150日なのに対し、
就職困難者として受給すると、最低150日から最大360日受給が延びます。
最大7か月も受給が延びたらとてもありがたいですね。
障害者手帳をもらうデメリット
障害者手帳を取得することによるデメリットは特にありません。
しかし、精神障害者手帳をもつことによって、
「自分は障害者である」という精神的な負担になる方も、
少なからずいらっしゃることでしょう。
主治医やご自身の心と相談して、
手帳の取得の有無については決めていきましょう。
まとめ
精神障害者手帳を取得するにはメリットがたくさんあることがわかりました。
自分で障害があることを認めるのも心理的につらい面もあるかと思います。
就職に関しては障害に対する不安もありますし、余計に焦ってしまいますよね。
障害者手帳をもつことによるメリットを考慮しながら、
介助者や主治医の方とぜひ相談してみてください。
また、筆者は精神障害者手帳を持っています。
何か質問等ありましたら、お気軽にお問い合わせくださいね♪
また、うつや発達障害等で離職した方へ向けて就労移行支援事業所を運営している、
「キズキビジネスカレッジ」さまでも、障害者手帳の取得方法やメリットを解説しています。
精神障害者手帳以外の手帳についても説明しているので、
ぜひあわせてお読みくださいませ( *´艸`)

コメント
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[…] 精神障害者手帳で利用できるサービスには何がある? 【はじめに】 […]