はじめに
「障害児支援利用計画」とは、
障害児本人が解決したい課題や具体的な支援の方針、
必要なサービスの種類などが記載される計画書です。
受給者証を申請する際には、「障害児支援利用計画案」が必要です。
この書面には必要となる障害児通所の支援の種類や内容が記載されます。
受給者証が発行されると、支援の指針となる、
より具体的な支援内容を文章化した「障害児支援利用計画」が作成されます。
ここでは以下、
障害児支援利用計画作成に関し、
正しく理解しておきたいポイントを作業の流れに沿って説明します。
障害児支援利用計画が必要な場面
まずは、「障害児支援利用計画案」の作成が必要となる場面を確かめておきましょう。
この計画案は1度作成すれば終わりではなく、
次の3つの場面で、その都度作成が必要です。
- 受給者証の新規申請時
- 現行の受給者証の更新時
- 支給量の変更時
受給者証には有効期限があり、更新手続きが必要です。
受給対象者の状態の変化に伴い、
支給量の変更が必要となる展開も想定されます。
当事者が必要とする支援サービスの内容と適量を、
随時見直す作業が求められます。
計画案を作成する方法
障害児支援利用計画案の作成方法は、次の2通りです。
市区町村の指定障害児相談支援事業者に依頼する
居住地域の自治体に問い合わせることで、相談支援事業者を紹介してもらえます。
計画書作成の契約を交わし、作成を依頼できます。
担当者となる相談支援専門員が自宅を訪れ、
ヒアリングを行うことで計画案を作成する流れです。
ちなみに、作成費用は原則自治体負担のため、利用者の負担額はありません。
保護者もしくは支援者がセルフプランで作成する
計画案は保護者もしくは支援者自身で作成することも可能です。
フォーマットは市区町村ごとに異なり、
居住地域の担当窓口で用紙を受け取る、
ホームページからダウンロードする、といった方法で入手します。
用紙には以下の内容を記載する箇所があります。
- 支援を希望するサービスの内容と期間(日数)
- 利用する当事者が解決したい日常生活上の課題
- 支援を通じて目指す未来像
など
これら必要事項をすべて記載することで、書式を完成させます。
公的な書面ですので、書類不備のないように、十分注意しましょう。
受給者証更新などの再作成時には、
前回と同じように作成しなければならないという決まりはありませんので、
セルフプランで行っても、事業者に依頼をしても、どちらでも構いません。
2通りの作成方法の違い
先に述べた通り、
受給者証申請に必要な障害児支援利用計画案の作成には、
2通りの方法があり、どちらでも申請可能です。
それぞれにはどのような違いがあるのかを、ここで確認しておきましょう。
指定障害児相談支援事業者が作成した場合
相談支援専門員が家庭訪問からヒアリングを行い、
客観的に第三者の視点から適切と思われるサービス活用を提案するのが、
この作成方法の大きなメリットです。
専門家が作成した1つの計画案に基づき、
支援関係者が同一の情報を共有できるため、
より一体化した支援体制の確立が期待されます。
さらに施設利用開始後も、定期的なモニタリングを通じ、
支援計画の見直しといった、適切なフォローを受けることができます。
セルフプランで作成した場合
依頼可能な指定障害児相談支援事業者が見当たらないなどの場合、
保護者もしくは支援者が自ら作成するケースも見られます。
自ら作成提出した計画書に記載された内容から、
受給者証の要否が審査され、判定が下されます。
受給者証が取得できれば、記載された支給量などを踏まえ、
「障害児支援利用計画」を作成する流れとなります。
同計画書の作成を、相談支援専門員に依頼することも可能です。
作成された利用計画は、保護者(支援者)・自治体・支援施設で共有されます。
ちなみにセルフプランニングで作成の場合、
施設利用開始後のモニタリング対応はありません。
施設との契約
施設との契約に至るまでには、
ここまでに述べた一連の流れを踏む必要があります。
ここで今一度復習することで、正しく把握しておきましょう。
- 障害児支援利用計画案を作成から所定の自治体に提出し、受給者証を取得。
- 採用された障害児支援利用計画案に基づき、障害児支援利用計画を作成。
- 障害児支援利用計画と受給者証を揃えて、施設と契約。
書類の作成や審査には、どの方法を取ったとしても時間がかかるといえます。
スケジュールに十分な余裕をもって、それぞれの作業を確実に進めましょう。
まとめ
受給者証交付の審査基準となる「障害児支援利用計画案」の作成は、
相談支援事業所に作成を依頼する方がオススメだといえます。
専門員がヒアリングを通じて作成することで客観性が担保されるだけでなく、
その後のモニタリング対応なども行ってくれるメリットがあるからです。
とはいえ、セルフプランでの作成も、
保護者(支援者)や当事者の思いを言葉に反映させやすい点は、
大きなメリットと捉えることができます。
ただし最終的な交付と支給量の決定判断は自治体に委ねられますので、
まずは事業者に依頼する方向性で考えてみましょう。
利用したい事業所や自治体窓口に相談し、自身に合った計画を立ててくださいね。
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