はじめに
学校の授業についていけず、その原因が発達障害に起因すると思われることから、
このままでは我が子だけが取り残されてしまうのでは?
せめて大人になったときに困らぬよう、最低限必要な学力を身につけさせたい
もしくは、特定の分野に強く興味を示す特性を活かすべく、
高学歴、もしくは得意分野を追求することで、我が子を社会に送り出すことが、未来につながるのでは?
――子を思う親心、根底では誰もが同じでしょう。
そこで考えるのが家庭教師。
集団生活が苦手とされる発達障害だからこそ、
マンツーマンで指導してくれる、この頼もしい存在が見過ごせません。
我が子の特性を正しく理解してくれる、先生であり、兄姉であり、友人でもある存在。
そんな人材との出会いに賭けてみたいと考えるのもまた、
発達障害の我が子を持つ親としての、率直な気持ちでしょう。
ここでは以下、発達障害の我が子に家庭教師をつける際に、
気をつけたい6つのポイントをご紹介します。
良い業者を選ぶ際に気をつけたいポイント6つ
発達障害の我が子につける家庭教師選びに際し、
最重要視すべきポイントは、学力(成績)向上の期待値ではありません。
では何を重要視すべきか?
それは、個人差こそ見られるものの、
学校生活(授業時間)にストレスを覚えている子どもが、
無理なく勉強と向き合える「環境の構築」です。
家庭教師(業者)の、発達障害への理解度と対応姿勢。
さまざまな視点からこれを見極め、総合的に判断する必要があります。
➀発達障害の子どもへの対応に関し、明記されている
一般的な家庭教師をつける目的は、現状以上の成績アップに他なりません。
志望校合格、偏差値アップ、より高得点を得るためのテクニックの習得など、
いずれも「数字」での結果を求めます。
しかしながら、発達障害の子どもの場合、
自身の特性から、こうした指導を理解できない、許容できない、
耐えられないケースが想定されます。
成績アップの達人とされる家庭教師は、
発達障害の子どもにとって、
必ずしもベストな指導者とは限りません。
候補に挙げた業者の資料や公式ホームページ上などに、
発達障害の子どもへの対応に関し、具体的に明記されていることを確かめましょう。
➁発達障害関係の資格を持った講師・スタッフが在職している
発達障害の子どもへの接し方などについては、
関連書籍やネットを通じ、それなりの情報や知識を確認できますが、
それらはいずれも机上の理論です。
特別支援学校(学級)に配属される、発達障害コミュニケーション指導者など、
専門知識と経験を兼ね備えた、有資格者が在職している業者であれば安心です。
それまでスムーズに続けられていた家庭教師との勉強タイムに、
突然拒否反応を示した時などに、相談できる専門家の存在が見過ごせません。
➂発達障害関係の情報を発信している
家庭教師業者として、公的に発達障害関係の情報を発信する以上、
専門的な正しい知識を、組織全体が共有していなければなりません。
誤情報や誤解を招くような発信は、単なるデメリットだけにとどまらず、
ひとつ間違えば自爆行為(致命傷)となりかねません。
家庭教師業者もまた、営利目的の民間企業であり、
発信の主目的は顧客獲得が主となっています。
積極的に発達障害を語ることができる業者であれば、候補先に挙げて大丈夫でしょう。
➃発達障害の子ども向けのテキストを用意している
発達障害の子どものなかには、
- 学校の教科書の文章が読み取れない
- 視覚過敏のため、白地に黒文字の印刷が眩しく、カラフルな印刷を見ることが辛い
- 数字がびっしりと並んだページに対し、混乱を覚える
以上のような、発達障害ではない人には理解し辛い、
それぞれの苦手分野を有しています。
発達障害に理解のある家庭教師に恵まれたとしても、
子どもの特性とミスマッチがあると、用いる教材に十分な効果は期待できません。
発達障害の子ども向けのテキストが用意されているかどうかを、
我が子の特性と照らし合わせて確認しましょう。
➄生徒に寄り添った指導をする姿勢が読み取れる
一般的に家庭教師センターと称される組織では、
それぞれの指導要綱(マニュアル)に沿った個別指導を、指導推奨しています。
過去のデータを分析から、
最も効果が期待されると判断した指導要綱に沿って、
家庭教師は各々が担当する生徒を指導します。
先述の「数字で現れる成果」を求めるうえでは、
この指導方法も決して間違ったものではありません。
しかしながら、発達障害の子どもたちは、
自分たちの特性から、こうした指導を受け入れることが困難といえます。
例えば、より努力するように、といった、
家庭教師からの何気ない叱咤激励も、
その真意が汲み取れず、心に傷を負ってしまうケースが想定されます。
指導要綱は遵守しつつ、
受け持った発達障害の子どもにとってベストと思われる、
寄り添った指導を考え、実践してくれる家庭教師。
現実的には高いハードル設定ですが、
家庭教師は我が子にとって大変重要な、二人三脚をお願いするパートナーです。
疑問点や不明点は曖昧にせず、臆せず質問から確認を重ねましょう。
➅発達障害の子どもを持つ家族からの評判が良い
匿名性が極めて強いネット上の口コミは、そのまま鵜呑みにはできませんが、
判断材料として冷静にチェックする作業をおすすめします。
以下のそれぞれに高評価が見られれば、候補先に値すると判断できるでしょう。
- 登録講師の人数
- 教え方や臨機応変な対応に対する評価
- 長期的に続けられる料金設定
このほか、対面授業とオンライン授業双方に対応していることや、
教材準備などについて明記されていることが、判断材料となってきます。
まとめ
ここまでご紹介した6つのポイントは、
いずれも、保護者(大人)が冷静に見極め、
最終判断を下すための参考資料です。
ここで忘れてはならないのが、次の1点です。
家庭教師をつけることを子ども自身が理解できるよう、噛み砕いて根気よく説明してあげる作業。
子どもに事後報告で、一方的に押しつけてしまっては、
発達障害でない子どもを含め、拒絶反応が生じて当然です。
毎日の学校生活で溜め込んだストレスを、
唯一発散できる自宅にまで、
見知らぬ誰かが勉強を教えに来るとなれば、
ストレスをさらに溜めこむことになってしまう可能性もあります。
家庭教師による指導のスタートは、焦ってはなりません。
大切な子どもにとっての家庭教師は、
安心して接することができるのが一番です。
家庭教師のほとんどは体験授業が可能となっていますので、
そういった制度も併せてご利用くださいね。
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