ウクライナの大統領がオンラインで国会にてお話をしました。
ウクライナのゼレンスキー大統領が3月23日、
総理大臣も出席する日本の国会で12分にわたってオンラインでお話をしました。
大統領は、ロシアがウクライナを攻めたときに、
アジアの国で日本が初めてウクライナに援助してくれたとお礼を述べました。
以下、ゼレンスキー大統領によるお話の内容です。
ウクライナと日本の間は、距離が8193キロメートルあります。
飛行機でも15時間かかりますが、戦争をやめたいという思いに差はありません。
皆さんは、1986年にチェルノブイリ原子力発電所の事故があったのを知っていますか。
チェルノブイリ原子力発電所は、ウクライナのプリピャチ市にあった原子力発電所で、
1986年4月26日に4号炉が原発事故を起こしました。
現在も、放射能がもれて、原発の周りの30キロゾーンは危険な場所です。
森の土の中に、放射能をあびたガレキなどがうめられました。
そして今回、その地域にロシア軍が来て、
トラックなどで放射能の砂ぼこりをあげて占領しました。
ロシア軍が原発を攻撃したのは、ウクライナが核兵器を持っていると疑っており、
それを防ぐためとロシア大統領は話しています。
ウクライナには原発が19か所あります。
その中のサボリージャ原発も攻撃されました。
また、サリンなどの化学兵器を使う準備をロシアがしているという報告を受けています。
核兵器が使われたら世界はどうなるか誰にも予想できません。
ウクライナ軍は28日間にわたって、ウクライナの国を守り続けています。
しかし、ロシアにより1000発以上のミサイルや爆弾が落とされ、
数十の街が壊され、数千人が殺されました。
そのうち121人は子どもです。
多くのウクライナ人が住みなれた家を出てひなんしています。
ロシアは海もふうさして船を通れないようにしています。
しかし、国際機関はウクライナを助けてはくれませんでした。
改革が必要です。戦争をしたいという国に対しては、
平和を壊してはいけないという強いメッセージが必要です。
私から日本にお願いしたことは、引き続きロシアに圧力をかけてくださることです。
戦争が終わった後、ウクライナの建物を建てたり、鉄道をしいたり、
街をもとにもどすための作業が必要です。どうか協力してください。
日本の人達も、私たちウクライナ人の気持ちをわかってくれるかと思います。
私は全世界が安全に暮らせるようなしくみが必要だと考えています。
日本にもぜひ協力してほしいです。ウクライナ人は日本の文化が好きです。
2019年、私の妻であるオレナが、
目の見えない子ども達のプロジェクトに参加し、
日本の昔話をウクライナ語にしたオーディオブックを作りました。
私たちは、日本の人達と同じく温かい心を持っています。
ウクライナに光と栄えあれ、日本に光と栄えあれ。
以上が、ゼレンスキー大統領による12分間のお話です。
ウクライナの人たちに平和が訪れることを、心から祈りましょう。
コメント