「がまんしているのは被害をうけた私たち」と被害者が語るネット中傷の現状

2022年4月24日のニュースです。
インターネット上のひぼう中傷をなくそうと、
女子プロレスラー木村花さん(当時22さい)の母である響子さんと、
東京池袋の暴走事故遺ぞくの松永拓也さんらが、
東京都内でお互いに会話をしました。
木村花さんは、SNS上でひぼう中傷をうけ、
そのショックにより、2020年5月にみずから命を絶ってしまいました。
結果として、男2人が木村花さんを侮辱した容疑で書類送検されました。
しかしながら現在の法律で決められた刑罰は、
「30日未満の拘留、または1万円未満の罰金」であり、
2人はそれぞれ9000円の支払いを命じられただけでした。
木村花さんは、男らの侮辱により心に傷を負ったのに、
男らの刑罰は思いのほか軽いもので、様々な声が飛び交いました。

「刑期が軽いと加害者がこころから反省しない」と話した響子さんはさらに、
中傷と批判のちがいを明確にするガイドラインが必要であるとうったえました。
また暴走事故で奥さんと子どもを亡くしたあと、
ネット中傷を受けてきた松永さんは、
「被害を受けたほうががまんしている」と、今の社会のむじゅんを話し、
これからのネット中傷をへらすためにも、
子どもたちへのSNS教育が大切だ、との、自分の考えを述べました。
この対談は、ネット上の動画投稿サイトで公開される予定です。
さらにこの報道から2日後の4月26日、
響子さんは衆議院の法務委員会で、
「加害者は指ひとつで人を傷つけ心をえぐっている」と、
自身が受けたひぼう中傷がどのようなものであったかを、具体的に話しました。
国をあげて侮辱罪の刑罰を厳しくするように、話し合いが進められていますが、
加害者を罰するばかりでは、被害者の傷ついた心は救われません。
被害者の救済となる法改正を、一日もはやく実現する必要があると思われます。
そしてなにより残念でならないのが、このようなコメントが聞こえてくる現実です。
「最初に書きこんだのは自分ではないから、そんなに悪いことだとは思わない」
「誰かが先に書きこんでいたのを見て、軽い気持ちでそれに乗っかっただけ」
罪の意識がとても薄い人間が、悲しいながら多くいるようです。
いわゆる「身バレしにくい」とされるインターネット上ですが、
だからといって、何をやっても許されるわけではありません。
中傷と批判の線引きは自分でも難しいかもしれませんが、
「相手の目を見て言葉にできないことは、ネット上でも文字にはしない」
ということを一つの基準にしてみましょう。

自分はネット中傷など絶対にしない!



自分が被害にあうはずがない!
このように言いきる人を含め、私たち全員が、
今一度SNSなどインターネットの使い方を、見つめなおすべきでしょう。
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