問題なく学校生活を送れてきたのに、
就職してから失敗の連続…
仕事でミスばかりして叱られる…
ちゃんと確認しているのに
心配になって心療内科を受診したら
大人の発達障害だと言われた…
大人の発達障害とは、一体どのようなものなのでしょうか?
この記事では、大人の発達障害について解説いたします。
なぜ”大人の”発達障害なのか?
”大人の”発達障害として、あえて”大人の”をつけられる場合、
だいたい18歳以上の人の発達障害のことを指しています。
発達障害は先天的なもののため、突然発達障害になったわけではありません。
子どものころに比較的症状が軽かった、
または発達障害が問題となる環境におらず「ただの個性」として捉えられていた、
という場合がほとんどです。
大人の発達障害の症状自体は子どものものと変わりません。
それでも”大人の”発達障害が問題となる理由としては、
- 社会生活に適応できない
- 二次障害の発生
の2つがあげられます。
社会生活に適応できない
社会に出ると学生のころとは環境は大きく変わります。
学生のときはただ受動的に学校で授業を受けていればよかったかもしれません。
しかし、会社での仕事は違います。
社会人としてマナーを身につけ能動的に働くことを求められますし、
もちろん遅刻も許されません。
コミュニケーションもより高度なものが求められます。
さらに、サポートしてくれる人がいるとも限りません。
そういった環境では、
学生のころには問題視されなかった軽度の発達障害でも、
社会生活に支障をきたしてしまうことがあるのです。
二次障害の発生
社会生活に適応できなくなると、
うつ病やパニック障害などの二次障害が発生する可能性があります。
職場で悪い印象が広がると自己肯定感も下がってしまい、
転職という選択肢をとる場合もあります。
そして転職を繰り返すことになると、
職業が定まらないことによる経済的な困窮も問題になってきます。
大人の発達障害の種類
発達障害は種類によって症状も異なります。
特性ごとに問題を把握しましょう。
自閉スペクトラム症(ASD)
自閉症スペクトラムとは、いくつかの発達障害が合わさったものです。
その大きな特徴を以下で一つずつ紹介していきます。
社会的なコミュニケーションが苦手
空気が読めなかったり、職場の暗黙のルールに対応できなかったりする。
職場では浮いてしまうことが多い
こだわりによって同じ行動を繰り返す
融通がきかない、変化に対応できない。
周りとうまく合わせて仕事することができない。
というものがあります。
注意欠如・多動症(ADHD)
注意欠如・多動症(ADHD)とは、不注意、多動性、衝動性の三つの症状があります。
①不注意
ケアレスミスや忘れ物が多い。
何度も遅刻したり、必要な書類などを忘れてしまったりする。
②多動性
じっとしていることが苦手。
話をしているときにソワソワする。
③衝動性
衝動的な発言・行動をとる。
自制ができない。
特に不注意症状で社会人になってから支障をきたすようになった人は少なくありません。
学習障害(LD)
学習障害(LD)は、知的な遅れは見られないものの、「読み・書き・計算」のうち特定の学習に困難を示します。
文字の形を捉えることが苦手であるなど、特定の学習に非常に困難を示す場合に当てはまります。
読み書きや計算ができないと、職種によっては大きな障害になります。
チック症
チック症とは、まばたきなどの体の一部の動きが断続的に発生する症状のことです。
大人のチック症はストレスが主な原因となっていると言われています。
チックの運動をする部分によっては社会生活が困難になるようなこともあります。
障害とわかりにくいため、相手に誤解されやすいというのも難点です。
吃音
吃音とは、話すときに語の一部を繰り返したり詰まったりする症状があります。
吃音がコンプレックスになり、職場で話すことが苦手と思い込んでしまう可能性もあります。
まとめ
大人の発達障害は、学生のころは問題にならなかった症状が、
環境の変化によって日常に支障をきたすようになることが一つの要因です。
安心して社会生活を送るためには周囲の理解が必要です。
そのためにも、大人の発達障害と診断された場合は、自己理解を深め、
自分の特性を周りに説明できるようにし、合理的配慮を受けられるように努めましょう。
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