ユーザー名:yui
障害種別:精神障害
障害名:解離性同一性障害、パニック障害、PTSD、双極性障害、境界性パーソナリティ障害
今回は、精神障害と恋愛ということで、yuiさんにインタビューを行いました!
- あなたの障害症状について教えてください。
-
解離性同一性障害は、昔は多重人格と言われていた障害です。
自分の中に複数の人格が存在し、自分の意志にかかわらず人格が交代します。
中には言葉を話すことができない人格や、主人格と異なる性別の人格も存在します。 - 恋愛と聞いてどんなイメージが湧きますか?
-
恋愛と聞くと、
「自分の障害について本当に理解してくれる人が存在するのか」という感情が生まれ、
少し苦しい気持ちになります。過去の恋愛も(結婚に至ったもの以外は)、
すべて私側が原因で失恋しています。
理由はやはり「障害を支えきれなくなった」というものばかりでした。 - 今までに誰かを好きになったことはありますか?
-
あります。中学一年生の時に初めて好きな人ができました。
その時は今のような障害はありませんでしたが、
代わりに両親からひどく虐待を受けており、
全身あざだらけだったため、好きな人に自分を見せるのが恥ずかしく、
ずっと遠くから見ているだけの片思いでした。 - 今までに誰かと付き合ったことはありますか?
-
あります。結婚した主人も含めると、6人との交際経験があります。
そのうち、私がまだ今の障害を持っていなかったときに知り合ったのは一人だけです。
彼とは高校1年生の時に知り合いましたが、
高校2年生の終わりに私がリストカットをするようになり、
だんだん彼も共依存のようになってしまいました。 - 今までに誰かを好きになったことがある又は付き合ったことがあると答えた方、
その中で一番印象に残っている方についてお聞きします。
お相手はどのような方でしたか?
印象でも、性格でも、雰囲気でも、何でも構いません。 -
大学3年の時に知り合った他大学の男の子でした。
最初に話したときは無口で、恥ずかしがりやな感じでしたが、
笑顔がとても印象的だったのを覚えています。
共通の友人から、
「あいつがお前のことをいいと思ってるらしいから、メアドを教えてもいい?」と言われ、
私も意識するようになりました。
付き合ってしばらくして病気のことを話しても、
彼はネットで調べるなどして寄り添ってくれました。
しかし、度重なる私の人格交代や、希死念慮による自殺未遂に疲れてしまい、
最後のほうは笑った顔を見ていません。 - 今までに誰かと付き合ったことがあると答えた方にお聞きします。
何人の方と付き合ったことがありますか?
(プラトニックな恋愛、性的関係だけの付き合い、恋愛の形態は問いません) -
6人です。
そのうち別れ際にレイプした男性(一人目の彼氏)がひとり、
性的関係を持った両想いが4人、
性的関係がないプラトニックな恋愛が1人です。
最後のひとりが主人で、結婚してから初めて性的関係を結びました。 - 今まで誰かと付き合ったことがあると答えた方にお聞きします。
これまでの恋愛で、自身の障害について、プラス面で何か感じたことはありますか? -
プラス面で何か感じたことはありません。
しいて言うなら、精神障害は嫌がる人が多いため、
中途半端な軽い気持ちで私に告白してきた人はいませんでした。
全員、障害のことを理解したうえで、支えようとしてくれました。 - 今まで誰かと付き合ったことがあると答えた方にお聞きします。
これまでの恋愛で、自身の障害について、マイナス面で何か感じたことはありますか? -
解離性同一性障害による人格交代で、
相手の男性を振り回してしまうことです。
人格交代は、見る人によっては演技と取られてしまうこともあります。
実際私も、「演技しやがって」「子供の人格なんかいるわけないだろう」、
といったように、たくさん否定され、傷ついてきました。 - 将来、結婚をしたいと思いますか?理由とともに教えてください。
また、すでに結婚の経験がある方は、
なぜ結婚に至ったかについて理由とともに教えてください。 -
結婚に至った理由は、主人が私に一目ぼれをしたからです。
病気のことを話して、今までの恋愛経験から「共依存になってしまったりするかもしれない」、
「あなたも心の病気になるからやめたほうがいい」と何度も伝えましたが、
主人は聞く耳を持たず、「俺が一生守りたいと思ってるから」という理由のみで、
半ば押し切られるように交際がはじまりました。
交際して一週間後に義両親と会い、自分の障害について話しましたが、
「これまで辛かったんだね。○○(主人)、しっかり守ってあげるんだよ」と、
逆に応援をされました。付き合って3か月でプロポーズされ、
半年で婚約、交際開始から1年で結婚しました。 - 自身の障害にまつわるエピソードで、
恋愛関係における印象的なエピソードを教えてください。 -
自殺未遂を繰り返し、医療保護入院になりました。
閉鎖病棟の保護室に隔離され、外部との連絡は全く取れない状況でした。
やっとの思いで退院すると、
当時付き合っていた彼の母親から自宅に手紙が届いていて、
「息子のために別れてください。これまでありがとう」と書かれていました。 - あなたは(双方合意の上で)性行為の体験がありますか?
-
あります。
- あなたは(双方合意の上での)性行為全般について、
どのような印象を持っていますか? -
主人に出会う前は、正直な話、身体の関係で相手を繋ぎとめるようなこともしていました。
別れ話のたびに性行為にもちこんで話をうやむやにするなどです。
しかし、主人と出会ってからは、
「性行為は愛し合う夫婦に与えられた素晴らしい行為」だと思うようになりました。
快楽を求めるものでなく、ただ相手の存在を喜ぶイメージです。 - あなたはこれまで、性にまつわること全般において、
自身の障害を障害だと感じたことがありますか?
もしある場合、それはどんな時でしたか? -
特にありません。
- 健常者が障害者と付き合うとき、健常者側が気を付けたほうがいいこととして挙げられる意見がありますか?
もしあれば教えてください。 -
あくまで精神障害に限った話にはなってしまいますが、
あまり距離をとりすぎたり、肩入れしないことが重要だと思います。
障害そのものを「特性」だと思い、
あまり感情的にならずに、事務的に接する必要もある程度あると思います。
もちろん、症状が落ち着いているときには、普通に接してほしいです。
精神的に不安定になってしまっているときは、
ある程度物理的な距離を置いたり、連絡の頻度を減らすなどして、
お互いがお互いに依存しないようにすることが何より重要だと思います。 - 健常者が障害者と付き合うとき、
障害者側が気を付けたほうがいいこととして挙げられる意見がありますか?
もしあれば教えてください。 -
相手は自分の所有物ではないということです。
相手は相手で一つの人格、一人の人間であるため、
自分の思う通りに動かそうとしないことが大切です。
同時に、相手は自分のことをきちんと愛しており、
決して同情で付き合っているわけではないことも理解するべきだと思います。 - 最後に、もしあなたが「障害×恋愛」コラム記事を読むとしたら、
どういった内容について知りたいか教えてください。
ありがとうございました。 -
実際に精神障害がある人と結婚した方に、
日々の生活のコツや、「相手のメンタルに振り回されないために必要なこと」などを、
インタビューしてまとめていただきたいです。
共依存を防ぐことができれば、
精神障害があっても素敵な恋愛がしやすくなると思います。
以上、yuiさんへのインタビューでした♪
ご協力いただき、ありがとうございました!
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