こんにちは、くまてやお悩み相談室のコーナーです。
今日のお便りは↓コチラ↓
私は、運搬関係の会社に勤める30代です。
仕事でのケアレスミスが多く、上司からADHDを疑われ、精神科受診を勧められました。
私もこれ以上仕事で迷惑をかけるわけにはいかないと思い病院に行ったのですが、結果としては「ADHDグレーゾーン」という風に言われ、特に薬などは処方してもらえませんでした。
来週上司に病院に言った報告をする予定ですが、どう言えばいいかわかりません。
仕事のミスを減らせたらよいのですが、どうすればいいかもわかりません。
何かアドバイスを頂けませんでしょうか? (カトウ/30代/会社員)
お便りありがとうございます。まずは病院お疲れさまでした。
なかなか行くことのない精神科・心療内科に行くのは、きっと緊張したことと思います。
それなのに「ADHDグレーゾーン」という曖昧な結果をもらって、困惑しているかもしれませんね。
とはいえ、一つ注意しておきたいのは、
もしもはっきりADHDと言われたとしても、その困惑はさほど変わらないであろうということです。
少し厳しいことを言いますが、薬を処方してもらっても、診断書を書いてもらっても、
症状そのものが完璧になくなるわけではありません。
もちろん薬によって多少良くなる可能性もありますが、発達障害の薬は副作用が強い物が多く、
かえって悪影響を及ぼす可能性もあります。
では、ADHDの症状はどうすることもできないのか?と言われれば、そんなことはありません。
今回のお便りでいただいた質問は2つでしたね。
- 上司への報告をどうしたらよいか
- 仕事のミスを減らすにはどうしたらよいか
まず、上司への報告ですが、
これはカトウさんがお医者様に言われたことをそのまま話す形で大丈夫だと思います。
とはいっても、「ADHDグレーゾーンと言われました」という報告だけでは、
おそらく上司の方もカトウさんと同じように困惑してしまうかもしれません。
「ADHDグレーゾーンと言われた」という事実報告とともに、
「薬の処方はなかったこと、診断書は難しそうであること」といった他の事実報告を加え、
さらに、「ADHDグレーゾーンということで仕事上、~~というミスがあるので、~~という対策をしたい」と、
自分自身で対処できることや、「そして周囲に~~といった協力をしてほしい」というように、
上司の方はじめ周りの人にお願いできる協力事項をまとめて伝えると良いかと思います。
というわけで、次に仕事上のミスをどう減らしていくかについて考えていきましょう。
私は運搬関係の仕事がどういったものか分からないので、
もし意に沿わないアドバイスになっていたらごめんなさい。先に謝っておきます。
さて、仕事におけるミスの一つによくあるのが、「やることを一つ忘れていた」パターンです。
このパターンはどういう時に起こりやすいかというと、何か不測の事態が起きた時です。
たいていの人は、毎日仕事内容が大きく変わることはないと思います。
となると、「やることを一つ忘れる」のは、おそらく毎日ではなく、例えば週に1回程度くらいでしょう。
ではなぜ、いつも同じような仕事をしているにもかかわらず、いきなり忘れてしまうのか?
その理由は簡単です。
例えばABCDという仕事をしないといけないとして、Bの仕事中にAの仕事に緊急で追加の依頼が入ったとします。
すると、意識はAの仕事のほうに持っていかれてしまい、それまでやっていたBの仕事、
その後にやるべきCとDの仕事への意識はどうしても薄くなってしまいます。
そういったときに人はミスを起こしやすいといえるでしょう。
これは別に、発達障害かどうかに限らず、多くの人にいえることです。
ワーキングメモリと呼ばれる――簡単に言えば記憶保持の力――部分が弱ければ弱いほど、
Aの仕事に意識が持っていかれた場合、他の仕事でやるべきだったことを何か一つ忘れてしまう、
といったことが起こりがちだといえます。
これを対処するには、月並みですが、まず「メモを取ること」です。
メモを取るのが苦手、という方も多くいますが、まずは取ってみてください。
もちろん、ディスレクシアなどによりどうしても書くのが苦手という場合や、
ワーキングメモリの弱さによりメモが難しいという場合もありますが、
メモを取るのが苦手、という人の中には、
それまでメモを取ったことがない人も結構多くいらっしゃいます。
カトウさんがどういうタイプかは分かりませんが、
メモもたくさん取ることで慣れてくる場合だってあります。
とはいっても、先述のようにどうしてもメモを取るのが難しかったり、
メモを取っても上手く対処できなかったり、そういうことも出てくるでしょう。
そこで対処法第二弾です。それは「声に出すこと」。
人によってはこれで面白いほどミスが減ることがあります。
よく指差し確認、なんて言いますが、指差し確認の時に声を出しているか出していないかで、
そのミス比率はかなり変わってくるというのが私の考えです。
つまり、「仕事Bのメールを〇〇さんに12:20に送った」と声に出して確認するだけで、
ミスはだいぶ減ってくると思います。これは声を出すことに意味があるので、
目で確認、指差しで確認、だけではダメです。
小声でも構わないので、しっかりと口を動かすことが重要です。
できればその声が自分の耳に届く程度の声の大きさがベストです。
それでもダメなら第三弾、私がよくやる対処法ですが、「導線を作ること」です。
どういうことかというと、自分が忘れないように、
忘れそうなものを自分の行動する範囲、動く範囲に置いておく、ということです。
例を出しましょう。
雨の日の傘って忘れやすいですよね。
電車に乗って端っこの席に座れた雨の日には、つい傘を電車の手すりにかけてしまいがちです。
あまりいいこととはいえませんが、その良し悪しはここでは置いておきましょう。
さて、目の前にあるにもかかわらず、なぜか雨の日の電車には必ずと言っていいほど、
誰のかわからない傘が手すりにかかっています。誰かが忘れていったようです。
なぜ目の前にあるのに、傘を忘れてしまうのでしょうか?
それは、導線をうまく作れていないからだと私は思っています。
傘を手すりにかけるとき、ずっと傘を忘れないよう傘のことだけ考えている人というのは稀でしょう。
大体の場合は、手にもって置くのが邪魔で手すりにかけるため、
手すりにかけた時点で自分の意識は傘から手放されます。
端っこの席に座れば少しうとうとしてしまうこともあるでしょう。
と、降りるべき駅のアナウンスが聞こえてくる。すると慌てて膝上の鞄を持って電車を降りる。
乗り過ごさなくて済んだ、と安心して改札を出る頃合いに、傘の存在を思い出す。
こういった経験は、たくさんの人があるのではないでしょうか?
こういったことを起こさないために、私は「導線作り」をしています。
傘を手すりにかける、そこまでは一緒です。
でもそのあと、私はその傘を膝上のリュックに引っ掛けます。
紐に引っ掛ける、といえばいいでしょうか。
そうすると、傘を持たずにリュックだけを持って電車を降りようとすれば、
傘とリュックが引っかかって降りることができなくなるのです。
勿論、引っ掛ける具合は周りに迷惑が掛からない程度の抵抗力にしておきます。
それで乗り過ごしてしまう可能性もありますが、どうしても急ぎの用事でなければ、
別に一駅くらい乗り過ごしてもかまわないでしょう(これは私が今東京在住だから言えることですが)。
上記はあくまで例の一つです。このように導線を作ることで、
私は、仕事上でも、日常生活でもなるべくミスを減らせるよう工夫しています。
少し話が冗長になってしまいましたが、カトウさんのお役に立てれば幸いです。
もっと詳しく話を聞きたい!という場合は、ぜひ下記イベントにお越しください♪
お便りありがとうございました!!
コメント