皆さんは、ADHD(注意欠陥多動性障害)をご存じでしょうか?
子どもでは10~20人に一人、成人の場合40人に一人がADHDだといわれています。
1クラス30人程度の場合、
クラスに1~2人は、ADHDの子供がいる計算になります。
今回は、ADHDという発達障害についてと、
そのADHDの種類について、説明していきます。
そもそもADHDってなあに?
ADHD(正式名称:Attention-deficit/Hyperactivity Disorde)とは、
注意散漫で忘れ物が多かったり、じっと座っていられなかったり、
その名の通り、不注意・多動・衝動性が特徴の発達障害です。
そして、そのADHDの中でも、
不注意優勢型・多動衝動型・混合型の三つの種類があり、
それぞれ違った特徴があります。
一概に「ADHDだ」といっても、
その人の障害の特性や障害の重さにより、
苦難や対応策、症状も違ってきてしまうので、
対応には注意が必要です。
ADHDの特徴には、以下のようなものがあります。
不注意
- 活動に集中できない
- 気が散りやすい
- 物をなくしやすい
- 順序だてて活動に取り組めないなど
多動・衝動性
- じっとしていられない
- 静かに遊べない
- 待つことが苦手で、他人の邪魔をしてしまう
これらの特徴が認められ、
- 症状のいくつかが7歳以前より認められること
- 2つ以上の状況において(家庭、学校など)障害となっていること
- 発達に応じた対人関係や学業的・職業的な機能が著しく障害されていること
- 広汎性発達障害や統合失調症など他の発達障害・精神障害による不注意・多動-衝動性ではないこと
上記の項目を全て満たした場合にのみ、
ADHDと診断されるといわれています。
ADHDの原因はまだ明らかになっていませんが、
ここでは、ADHDの種類について解説していきます。
まずADHDの種類には、
「不注意優勢型」「多動・衝動型」「混合型」の三種類があります。
ちなみに筆者は混合型のADHDで診断を受けており、
特に衝動性が強いと主治医からはいわれています。
不注意優勢型について
不注意優勢型の特徴としては、
- 忘れ物やミスが多い
- 確認作業が苦手
- 順序立てるのが苦手
- 整理整頓が苦手と言ったものがあります。
多動などの目に見える症状はあまり現れませんが、
頭の中が多動になっているような状態です。
脳多動ともよばれることがあります。
集中力が無いといった特徴が現れる一方で、
自分の好きなことを考えたり取り組んだりしていると、
声をかけられても気が付かない、という過集中の特徴も併せ持っています。
そのため、「話しかけたのに無視された」など、
トラブルに発展してしまう場合もあります。
多動衝動型について
多動性障害の特徴としては、
- 手足をそわそわと動かす
- 席に座っていられない
- じっとしていられない
- 多弁である
などが挙げられます。
動いていないと落ち着かないという理由の他にも、
無意識的に身体が動いてしまうというケースや、
感情や欲求のコントロールが上手に出来ないというケースもあります。
学校などでは、じっとして居られないことなどから、
「問題児」として扱われてしまう場合もしばしばです。
混合型について
ADHDの混合型の特徴としては、
前項2つの特徴を併せ持っています。
ちなみに、不注意優勢型と多動・衝動型の特徴や症状が、
ともに備わっており、同程度、困り感がある場合に、
混合型と呼ばれる場合が多いようです。
例として、
- 忘れ物が多く、課題提出も先延ばしにしがちである
- いろいろなことを思いつきすぐに実行する
- 衝動的に買い物をしてしまい、金銭トラブルが発生する
などが挙げられます。
私は混合型の診断を受けていますが、
小さい頃は不注意優勢型だったように思えます。
大人になって多動・衝動が強くなり、代わりに不注意の特性が少し弱まりました。
というよりは、リマインダーなどで対処ができるようになりました。
文明の利器にひたすら感謝です。
多動・衝動の特性はどうしても収まらず、
クレジットカードの番号を覚えてしまったせいで、金銭管理に難があります……。
したがって、現在私は混合型の診断を受けているようです。
ADHDの症状における対策案
ここまで、ADHDの種類について解説してきましたが、
最後にそれぞれのタイプについて、その対策案を記載しておきます。
不注意優勢型
集中が難しい場合については、周囲が声掛けなどの対策をするといったものがあります。
また、整理整頓が苦手な場合についてはファイルや、
簡単に纏められるツールを使うことで対策が取れます。
順序立てが苦手な場合については、
「一番に取り組まなければいけないことは何か」といったことや、
「与えられた時間の中でできる作業はどれか」といったことについて、
考える癖をつけるよう練習したり、周りが補助や誘導したりすることで、
少しずつ対策が取れることでしょう。
多動・衝動型
じっとしているのが苦手な場合、
休憩時間や自由時間に思いっきり体を動かすことがいいと考えます。
休憩時間をこまめにとることで、
自身が行うべき作業をきちんと遂行することができるでしょう。
混合型
混合型の場合は、不注意優勢型、多動・衝動型の特性を併せ持っているため、
それぞれの対策案を参考にしつつ、一番困っていることに焦点を当て、
対策を練っていくと良いでしょう。
まとめ
海外での研究では、18歳以下のADHD発症率が約5%との研究結果が出ています。
国内でも、ADHDと診断される人の割合は年々増加傾向にあるといえます。
まずは症状を理解し、当事者に寄り添った支援がなされることを祈るばかりです。
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